道頓堀「くいだおれ」に惜別の人波
閉店を知らせる吹き出しも掲示された「くいだおれ太郎」。報道陣や見物客に囲まれた(9日午後2時58分、大阪市中央区で)=金沢修撮影 「大阪名物くいだおれ」には9日も、別れを惜しむ客らが次々と訪れ、看板人形「くいだおれ太郎」に幾重もの人垣ができるなど周辺は大混雑した。
くいだおれ太郎には、「本年7月8日で閉店します」という吹き出しが取り付けられ、閉店発表会見が終わった午後3時前には、店頭に集まった約100人がくいだおれ太郎と柿木会長を取り囲んで写真撮影を繰り返した。
元吉本興業常務でフリープロデューサーの木村政雄さんが姿を見せ、「『好評につき、やっぱり続けます』宣言を期待してます」とニヤリ。店近くの「大阪プロレス」からは、くいだおれ太郎をモデルにした覆面レスラー「くいしんぼう仮面」が登場。リング上ではしゃべらない設定だが、「親類のような存在がいなくなると聞き、駆けつけた。〈定年〉後、太郎と2人でタッグを組めば、ミナミも盛り上がるはず」と、この日ばかりは多弁だった。
元仲居の林きみ子さん(84)(大阪市阿倍野区)は繁忙期の苦労をともにした柿木会長の手を取り、「忙しくて寝るためだけに帰宅していた日々が懐かしい」と涙を浮かべた。
■「太郎」経済効果年間16億7000万円■
「くいだおれ太郎」の経済効果は、年間16億7000万円――。関西大会計専門職大学院の宮本勝浩教授が、「大阪名物くいだおれ」の看板人形が店と近くの戎橋筋商店街にもたらす経済波及効果を試算、9日発表した。宮本教授は「ミナミの象徴的なブランドとして果たした役割は大きい。なくなれば痛手」と、太郎の存続を訴えている。
聞き取り調査から、同店を訪れる年間35万人のうち、太郎目当ては3割(10万5000人)で、平均的な飲食費を2500円として計算。2億6250万円を直接店にもたらし、食材の調達など納入業者も含めた波及効果は4億4625万円になるという。
大阪・ミナミの観光客のうち、太郎を見ようと戎橋筋商店街に足を運んでいたのは6割。商店街組合に加盟する約90店の年間売り上げ計120億円のうち、1割が観光客といい、7億2000万円を太郎が招き寄せ、波及効果は計12億2400万円とはじき出した。
(2008年4月10日 読売新聞)
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